産業お役立ちコラム
安全に美味しくお肉を食べよう
美味しくお肉を食べることができる「低温調理」が流行しているのをご存じでしょうか。
低温調理とは、真空パックにお肉を入れて、60~70℃の低温で湯煎加熱する調理方法です。
肉のタンパク質が変性するのを抑えられるため、より柔らかく美味しくなるため人気の調理法です。
お肉をより美味しくしてくれる低温調理ですが、注意しなければならない点があります。
フライパンや鍋を利用した高温料理は、火を使用して100℃以上の温度で短時間で加熱しますが、低温調理は名前の通り、火は使わずに100℃以下の温度でゆっくりと加熱していくので、食材に火が通るまで時間をかけて調理しなければなりません。
加熱が不十分だと、食材に付着している雑菌が原因で食中毒に繋がる恐れもあります。
代表的なものではカンピロバクターがあります。
鶏肉調理で多く発生し、下痢や腹痛、発熱、頭痛、嘔吐の症状が3~6日続きます。
食材の中心部分を75度以上で1分以上加熱することで殺菌できるので、温度管理をしっかりしていきましょう。
また、加熱する前の保存温度も重要です。生肉を常温で放置すると、菌が増殖して食中毒の原因となります。
加熱中だけでなく、加熱前の温度管理にも注意しましょう。
食中毒の原因となる菌は十分な時間と温度で加熱しないと死滅しません。
低温調理だとお肉内部の温度が上がるのに時間がかかります。
例えば、厚さ2cmの鶏むね肉を63℃の温度で低温調理する場合、1時間加熱が必要とされています。
生焼け状態のお肉と、十分に火が通っているお肉とでは見た目で判断するのは困難です。
温度計とタイマーを使って安全に調理して、おいしいお肉をいただきましょう。