産業お役立ちコラム

介護食そんなに悩まなくて良い。

介護食そんなに悩まなくて良い。写真

人は産声をあげて生誕し、成長し、亡くなるまでの間で、もし「介護」というものを人生に当てはめた時、「再び赤ちゃんに帰るもの」という言葉を耳にしたことがあります。しかし、本当に「赤ちゃん返り」というものが当てはまるでしょうか。

思い出の味と機能の違い

「介護食」で大変なのは、1人1人の体の機能に合わせた調理の仕方や味付けなのではないでしょうか。「離乳食」は、赤ちゃんが味を感じ取る味蕾が非常に発達している為、味付けは薄味で十分です。しかしお年寄りは味蕾が磨耗していたり、服薬の影響で味を感じにくくなっています。口腔内の乾燥や入れ歯の使用によっても味覚が鈍感になる事があります。味覚が鈍感になると味付けが薄く感じ物足りなさを感じてしまいます。味付けの好み、食自体の好みも関わり、調理する方がそこまで考えて作るとなるととても大変な作業と言えます。

機能の衰えによる更なるリスク

味覚が衰えることで、ソースや醤油などの調味料を余計にかけ、塩分の過剰摂取につながってしまう可能性があります。また、知らず知らずのうちに糖分などを多く摂取するなど、高血圧や糖尿病などの病気を引き起こすこともあります。
家族は自然に食べているのに自分だけ味が薄く感じる、自分が作った料理について家族が味が濃いと言う、などした場合は、味覚障害になりつつあると考えられますので充分に注意しましょう。最近、私が勉強した「トマトケチャップ」は、塩分が他の調味料に比べとても少ないので代用できる場合は取り入れてみることをお勧めします。

味覚を守るには亜鉛

人間の舌や上顎の奥には、およそ7000個もの味蕾(みらい)と呼ばれる器官があります。その味蕾の働きによって味を感じることができるのですが、味蕾は10日前後で細胞が変わります。細胞が変わるときに必要になるのが亜鉛という栄養素です。そのため、亜鉛不足になることで味蕾の細胞が新しいものに変われず、味覚が衰えていきます。
亜鉛の過剰摂取は頭痛などの引き起こす原因になることがあります。サプリなどを飲む際は、事前に医師と相談するなどをして、適正量を守るようにしてください。

味覚は、舌の機能だけではなく、「見た目」「香り」「舌触り」「歯ざわり」「温度」など様々な要素を感じて味覚を認識しています。大きな入れ歯が入っている方は、感覚を感じ取る面積が少なくなりがちな為、味覚も感じ取りにくい事が多いです。介護食はこのように難しいので、「完璧に気に入ってもらえるように作らないと」と気負わなくても大丈夫です。

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