産業お役立ちコラム

【産業保健師コラム】~「私を助けて」って声に出して言えますか?~

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カウンセリングをしていると「若いうちからバリバリ働いてきて順調に昇進し管理職となったけど、部下との関係が上手くいかなくて悩んでいる」というご相談を沢山頂きます。

ある方には「部下にあなたの弱みを見せて下さい。」とお伝えしました。「上司は強くなくてもいいんですか?」と、かなり戸惑ったご様子でしたがアドバイス通りに実践したところ、シーンとして冷え切っていたチーム内の雰囲気が柔らかくなっただけでなく、入社してすぐにメンタル不調になって休みがちだった部下が、元気に出勤するようになったそうです。

またある方には「『私を助けて』って部下に言ってみて下さい。」とお伝えしました。ですが言えないと仰います。「じゃあ試しにここで『私を助けて』って言ってみて。」と言うと「無理です。言えません。」と顔を覆って泣き出してしまいました。小さな頃から親や兄弟を助け、結婚したらパートナーや子どもや義両親までも助け、職場でも強い上司であろうと必死で生きてこられた方です。他人を頼るという事にとても強いブロックがあるので、カウンセリングで少しづつそのブロックを外しているところです。

強い上司は部下からみると、仕事は出来て頼りになる反面、怖いと思われる場合もあります。そうすると、上司に安心感を抱けずにチーム内がぎくしゃくとして、色んな問題が起こってきます。そんな時は上司が勇気を出して部下に弱みを見せ、「助けて」と言って欲しいのです。部下にとって上司の弱みは、安心感だけでなく、上司の役に立てるという喜びに繋がるからです。

これが自然に出来ている上司がいらっしゃいますが、「もう~うちの上司は私達が居なきゃダメダメなんだから。」と部下達にからかわれながらも愛されています。だけどいざという時には上司がチームを守り引っ張る男気(女性の上司でもしかり)を見せるので、厚い信頼も得ています。結果そのチームは抜群の団結力と成績を誇り、会社からも高く評価されたりするのです。

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