産業お役立ちコラム
エビやカニが赤いのはなぜ?
赤い殻に覆われて、大人も子供も大好きなエビやカニ。生の状態では暗い色をしていますが、加熱すると赤い色に変わります。これはなぜだと思いますか?
殻の色の不思議
エビやカニの殻にはアスタキサンチンという成分が含まれ、これが赤い色と関係しています。生の状態では、たんぱく質とアスタキサンチンが結びついているので暗い色をしていますが、加熱するとこの結びつきが離され、赤い色素であるアスタキサンチンが姿を現します。そのため、茹でるとより赤色が目立つことになります。アスタキサンチンはエビやカニの体内で作られるわけではありません。エサとして食べるプランクトンにアスタキサンチンが含まれることにより体内に蓄えています。このアスタキサンチンには様々な働きがあるとされ、健康食品としても発売されています。
魅力的なアスタキサンチン
アスタキサンチンの働きとしては、高い抗酸化力があります。その抗酸化力はβ-カロテンやビタミンEよりもはるかに高く、体内で生成される活性酸素を抑える働きがあります。活性酸素が増えすぎると体が酸化して細胞が傷ついてしまいます。サケはもともと白い身ですが、エサとして食べるものにアスタキサンチンが含まれるため、赤い色をしています。サケの卵であるイクラが赤いのも、このアスタキサンチンの存在があるからなんですね。トマトやにんじんの赤色も同じ?と思われがちですが、これはリコピンやβ-カロテンの成分が関係していて、アスタキサンチンとは別のものなんです。
色の濃い食材は抗酸化作用がより期待できます。食事では食材の”色”にも注目して健康生活を目指しましょう。