産業お役立ちコラム
【産業保健師コラム】起こった事実にどんな意味をつけますか?
私達は良い出来事・悪い出来事に一喜一憂しますが、そもそも起こった出来事は単なる事実で、良いも悪いもありません。
TVでこんな心理テストが紹介されていました。
『目の前に突然お地蔵様が現れたら、あなたはどう思う?』
私は「お地蔵様が吉報を持ってきた!」と思いましたが、TVでは「怖い、気持ち悪い」という意見が大多数でした。
お地蔵様が現れたという事実に自分がどんな意味を付けるのかで、その事実が良い事にも悪い事にもなるという例ですね。
また管理職によくあるのが「部下が昇進できず異動になり落ち込んでいる。
自分のせいだ。部下に申し訳ない」という相談。とても優しい上司です。
それは良しとして、部下が昇進できず異動、という事実に上司は悪い意味を付けていますが、「会社はこの部下を、会社の将来を担う人材として高く評価していて、先を見据えた上で色んな業務を経験させてから昇進させようと考えているのかも。」というような意味付けをしたら、落ち込む部下に掛ける言葉も、部下の仕事に対する今後のモチベーションも、大きく変わってくるでしょう。
このような事実の捉え方は普段の生活にも活かせます。
通勤電車が止まって会社に遅刻
出かけようとしたら大雨
恋人が浮気した
子どもが言う事をきかない
病気になった
等、事実にどんな意味をつけるのかは個人の自由ですから、良い意味・悪い意味どちらを付けても良いのです。
ですが、いつも悪い意味をつけてしまって生き辛いのであれば「ちょっと待てよ」とストップをかけて「この事実に良い意味は本当に無いのかな?」と捉え直してみたら、もっと楽に生きられるかもしれませんね。