産業お役立ちコラム
有害業務に伴う歯科健康診断スタート
10月1日から事業場規模にかかわらず、歯やその支持組織に有害な業務に労働者を従事させるすべての事業者に対し、歯科医師による健康診断(歯科健康診断)の報告義務が課せられることになりました。
これまで報告義務のなかった労働者50人未満の事業者も労働基準監督署への報告が義務付けられます。
対象者
塩酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、フッ化水素、黄りん、その他歯またはその支持組織に有害な物のガス、蒸気または粉じんを発散する場所における業務に常時従事する労働者です。
例としては、メッキ工場、バッテリー製造工場などの従業員です。
実施時期
・雇入れの際
・対象業務への配置替えの際
・対象業務についた後6か月以内ごとに1回
歯牙酸蝕症
仕事で酸を扱う人の中に、歯が融ける酸蝕症にかかる傷害あります。虫歯とは違って、酸蝕症はエナメル質より深く、象牙質や歯髄までも歯を融かし、歯が著しく摩耗してしまいます。また、口の中の粘膜や、顎骨などの状況も合わせて検査が必要です。
職業病である歯の酸蝕症の特徴は、勤続年数の長い人に多く見られます。痛みなどの自覚症状が少ない為、本人も気づくのが遅くなりそのままにしがちです。しかし、歯の神経まで及ぶと治療は大掛かりになってしまう為、定期的に歯科検診の受診は必要です。
・歯科特殊健診が合法的に実施されていますか
・歯の酸蝕症について、安全衛生委員会や従業員へ周知されていますか
・作業主任者は選定されていますか
・作業指示書が掲示されていますか
・排気はできていますか
・保護具は日常的に使用されていますか