皆さんは、「油は太るから控えよう」と考えたことはありますか？油は脂質が多く含まれるため蓄積しやすくたくさん摂取すると太ってしまうのは事実です。しかし油には種類があり、その中でも植物油にはさまざまなメリットがあります。

◇植物油とは

文字通り、植物からとれる油のことです。サラサラとした液体が多く、種類もたくさん存在します。食品例として、身近なものではサラダ油、オリーブ油、ごま油、えごま油、なたね油があげられます。

今回は家庭でもよく使用されているオリーブ油とごま油についてご紹介します。

●オリーブ油について

オリーブ油にはオレイン酸という脂肪酸が含まれており、善玉（HDL）コレステロールを減らすことなく、悪玉（LDL）コレステロールだけを減らすのが特徴であり魅力です。地中海地域の人々が、食物をたっぷり食べ、ワインを多飲するにもかかわらず冠状動脈性心疾患の発症が少なく、健康が維持されているのはオリーブ油の効果である研究データもあり、したがって多く含まれているオレイン酸の効果であるという説があります（新鮮な魚介類や野菜をオリーブ油、ニンニク、トウガラシなどで調理することによる相乗的効果であると理解することが適切と考えられます）

ただし、過剰摂取は冠動脈疾患のリスクが高まるため、適量摂取が前提となります。

●ごま油について

ごま油にはオレイン酸とリノール酸が含まれており、リノール酸は体内で合成することができないため食べ物から摂取しなければならない必須脂肪酸です。リノール酸摂取は、冠動脈疾患を予防する可能性が期待できます。リノール酸の摂取不足による皮膚障害も報告されていますが、多量摂取による炎症の発生の原因になる懸念もあります。適量に摂取することが大切です。

また、ごま油は酸化に強く、安定性も高いです。風味も長持ちするため、普段の調理に使いやすくなっていますので、加熱調理にもおすすめです。

肉や乳製品の脂に偏らず、バランスよく植物油を取り入れて、健康的な食生活を目指しましょう！