皆さんは「葉酸」という栄養素を聞いたことはありますか？

葉酸は水溶性ビタミンであるビタミンB群の１種です。ビタミンB12と共にDNAの合成に関与しています。葉酸の不足が原因の疾患として、「巨赤芽球性貧血」や「神経管閉鎖障害」が知られています。

巨赤芽球性貧血とは？

DNA合成が阻害され、つくられる赤血球が成熟せず未熟なままになることで起こる貧血です。鉄分が不足して起こる貧血とは異なり、材料（鉄）の不足が原因ではなく、赤血球の質が低下することが原因です。

神経管閉鎖障害とは？

胎児の神経管が正常に閉じられないことで、その後の発達に異常が出ることがあります。神経管が閉じる時期は受胎後28日頃と、妊娠が発覚する前であることが多いため、特に妊娠の可能性のある女性は普段から意識して摂取することが大切です。成人男性、成人女性共に1日あたり推奨量は240㎍ですが、妊婦は＋240μgで計480μg、授乳婦は＋100μgで計340μgです。

また、不足・欠乏してくると、貧血が起きやすくなったり、神経症状、例えば足のしびれや腱反射の消失、舌のしびれや味覚異常などが現れやすくなったりします。

葉酸の栄養素

葉酸は、ほうれん草の葉から見つかった栄養素で、ほうれん草のような濃い緑色の野菜に多く含まれています。ブロッコリーやアスパラガスといった緑色の野菜、動物性食品ではレバー、卵や乳製品、きなこ・納豆なども比較的に多く含まれています。ほうれん草やレバーは鉄分も豊富な食品です。葉酸と鉄分両方摂れるため、貧血対策としておすすめな食品です。

ただ、葉酸は水溶性で水中に流れ出やすく、調理中に減ってしまいます。電子レンジでの加熱や、ゆで汁ごと食べられる汁物にするのがおすすめです。

体に貯蔵しておくことができないため、毎日摂取することが大切ですが、難しい場合は必要に応じてサプリメントの利用も検討しても良いでしょう。